気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

編年体御書のこと。

 
 
いつもみなさん、ありがとうございます。
 
 
さて創価学会は、2021年11月18日に新版の日蓮の御書全集を発刊しました。
これは凡例を読む限り、何を底本にしたのかわからない、さらには真蹟や写本の所在も、伝来も由来も全く述べられない有様で、要するに字を大きくして見やすくして、ごく少数の遺文を入れ替えるだけの編集でしかなかったものです。偽書の疑いの強い『御義口伝』『百六箇抄』『二箇相承』もそのまま何の文献的説明もないままに収録されています。
 
「編集方針のわからない新版御書」
 
創価学会の新版御書全集と、それ以外の御書全集との目録の違いについて」
 
上記二つの記事をお読み頂ければ、おわかり頂けるかと思います。
こんな御書全集を刊行して信徒に研鑽させても、日蓮の真蹟についての知識は身につかないでしょう。また他の刊行版との相違点もわからないので、創価学会はさながら信徒に日蓮遺文を真剣に学ばせるつもりがないのではないかとさえ思えてきます。
 
 
ところで、かつて創価学会教学部が刊行したもので、『編年体日蓮大聖人御書』(創価学会教学部編、創価学会、昭和48年)というものがあったのを覚えている方はいらっしゃるでしょうか。

これは旧堀日亨版御書全集収録の日蓮遺文を編年体、執筆年代順に並べ直したものです。
日蓮が書いた遺文を年代順に収録することで、日蓮の思想の変遷がある程度、推察できるように工夫されています。
また目録の写本や真蹟の所在も旧堀日亨版より詳しくなっておりまして、例えば『開目抄』なら、きちんと「身延曽存」(かつて身延山明治8年まで現存していたこと)が紹介され、また身延山久遠寺21世の寂照院日乾真蹟対校本の存在も記載されています。

 
またこの『編年体御書』は巻末に遺文の索引も付いていました。きちんと堀日亨版御書との対照も載せられていまして、どちらの頁数も即座に探せるようになっていました。

 
この『編年体御書』、昭和48年発刊ですが、昭和50年代後半から次第に使われなくなり、絶版となります。当時『原殿御返事』と『美作房御返事』はこの『編年体』にしか収録されておらず、非常に重宝した記憶があります。
こういうものを少しずつ絶版にし、信徒が学ぶための史料を絶版にして読ませなくする教団の姿勢はやはり批判されて然るべきなのではないでしょうか。現在、『日蓮大聖人御書辞典』は『仏教哲学大事典』第3版に編集されたとして絶版になりました。また堀日亨編の『富士宗学要集』、また堀日亨『富士日興上人詳伝』等と現在は絶版です。
 
 
戸田城聖が出版したかったのは富士宗学全集だった。」
 
「御書辞典のこと。」