気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

戸田城聖が出版したかったのは富士宗学全集だった。




いつもみなさん、ありがとうございます。



さて、このブログでは大石寺59世の堀日亨氏の『富士宗学要集』を資料として採り上げています。
『富士宗学要集』全10巻は、元々『富士宗学全集』全134巻の毛筆本が基礎になっていまして、堀日亨はこの『全集』から富士日興門流の特に重要と思われる文献を採り上げて『要集』を発刊しました。
ではこの『富士宗学全集』134巻を、現在読むことはできないのでしょうか。


結論から言うとできません。『富士宗学要集』第10巻の跋文によれば、毛筆本は全部で3本あったようですが、うち一つは戦災で失われ、一つは創価学会に、一つは大石寺にあるようです。大石寺富士学林の教学研究書には、ほぼ同内容が収録されていますが、富士学林は僧侶専用の教育機関ですから、一般の目には触れることができません。



ところで、創価学会戸田城聖氏が、『富士宗学要集』に続き、『富士宗学全集』を発刊したいと述べていたことがあるようです。
昭和32年11月に堀日亨氏が亡くなり、『大白蓮華』では、追悼特集として座談会が掲載されました。今回はその複写を史料として入手しましたので、その中から紹介したいと思います。複写なので、大白蓮華の具体的な号数が不明なのですが、昭和32年12月以降の『大白蓮華』かと推測されます。追悼座談会の参加者は小泉隆、原島宏治柏原ヤス辻武寿石田次男、小平芳平、池田大作龍年光、司会は多田省吾です。

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「小平  宗学全集は全部で、一三四巻、宗学要集の三〜四倍ですよ。一三四巻を宗学要集と同じ形にすると、三十冊か四十冊くらいになると思います。
池田  この宗学全集のことにつきましてちょうど二年くらい前に、吉川英治の新平家物語が出ましたね。あのとき、吉川英治の著書が、出版としては立派だという話が出ましてね。『同じ出版でも、あれほどになれば大したものですね』といつたら、先生が、『あんなのはダメだ。オレがほんとうに出版したいと思うのは、ただ一つ、堀猊下の富士宗学全集だ。これ以上の物はない』とおつしやつたのです。
小平  宗学全集を出すときに、いずれいろいろ、編さん委員会やなんかできてやるようになると思いますけれど、そのときに、大白蓮華の日興上人詳伝なども入れたいと思うのですけどね。」
(『大白蓮華』所収、追悼座談会「ありし日の堀日亨上人」より)




池田大作氏(当時は参謀室長)が「先生」の発言として「本当に出版したいと思うのは、ただ一つ、堀猊下の富士宗学全集だ」と述べていたことを紹介しています。
とすれば、創価学会は、池田大作氏の遺した言葉をもとに、すぐにでも堀日亨氏の『富士宗学全集』の発刊に着手すべきなのではないでしょうか。
それにも関わらず『富士宗学要集』でさえ既に絶版になり、かつての教学研究の姿勢をうやむやにしてしまったところに、現在の創価学会大石寺系教団の凋落の遠因があるように、私には思えてなりません。