いつもみなさん、ありがとうございます。
さて、
日蓮遺文について、小難しいことをブログで書いていますが、本当に最近の
創価学会には学びがなくなったと思います。
教団にとって都合の悪いことは学ばせないというのは、
日蓮正宗系・
大石寺系教団の特徴とも言えますが、まさにその通りで、『
大白蓮華』にせよ
聖教新聞にせよ、教学的な追求がほとんどなくなり、まるで
自己啓発セミナーか何かと見紛うばかりの内容です。
ところで、
創価学会版御書全集には、これに対応して『御書講義録』が
聖教新聞社から刊行されています。聖教文庫版もありますが、基本ハードカバーで、御書講義録刊行会編となっています。
この『
日蓮大聖人御書講義録』ですが、『十大部講義』とは別枠で出版されており、第1巻の『
守護国家論』から第38巻『上野殿御返事他』まで刊行されています。
ただ再版の兆しが全くないので、棚の在庫が出払ったらもう手に入らなくなるものです。ちなみに堀
日亨の『富士
宗学要集』ももはや再版されないでしょう。
ところで非常に不思議なことなのですが、この『
日蓮大聖人御書講義録』の第18巻『金吾殿御返事〜三大秘法稟承事』がなぜか未だに刊行されていません。
このことは小林正博・河合一『
日蓮大聖人の「御書」を読む』(
第三文明社、1996年)でも指摘されています。以下は下巻の『御消息編』ですが、きちんと「未刊」と書かれています。
あえて邪推するなら、
池田大作氏の会長辞任に前後して
原島嵩教学部長の離反がありました。この頃を境に次第に教学を
創価学会が重視しなくなった印象を私は持っています。
例えば日寛の『六巻抄講義』でも『当家三衣抄講義』など講義が未だに刊行されていないものが少なくありません。
新しい御書が今回
創価学会から刊行されたようですが、それならなぜ『講義録』の第18巻は未刊行なのか、刊行する気があるのかないのか、その辺をきちんと明らかにしてほしいものです。
追記
ちなみに昭和47年、
正本堂建立を契機として
大石寺は『
日蓮正宗歴代
法主全書』を刊行しました(限定出版、非売品)。ところが、この『歴代
法主全書』未だに全編が刊行されていません。