気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

基礎教学としての『一代五時鶏図』




いつもみなさん、ありがとうございます。



さて日蓮が生きていた当時、信徒たちの組織としては「大師講」というものが運営されていました。行われていたのは毎月24日、天台智顗の命日でして、対象は文字の読める弟子たちや武家たちでした。



「大師講について」



大師講の内容は、『一代五時鶏図』等の教判を示し、権実相対、法華最第一を講義する内容だったと考えられます。実際、複数の真蹟が現存する『一代五時鶏図』は、日蓮の講義の形跡を残しているものもあり、当時の日蓮門下教導の基礎教学的な位置付けを有していました。



「『一代五時図』のこと」



この『一代五時鶏図』は日蓮の講義の様子を彷彿とさせる史料と言ってよく、弟子たちも『一代五時鶏図』を模した文書を作成しています。また一部には日蓮自身が真言を方等部に配するなど、天台智顗の教判を日蓮なりに思索・検討し、乗り越えようとする部分も見られ、日蓮本人が智顗・湛然の天台教学を自分なりに咀嚼しようとする、生々しい思索の跡を伺うこともできます。



ところが、この『一代五時鶏図』は、現在の創価学会では全く省みられていません。



試しに創価学会員や法華講員の活動家さんに、『一代五時鶏図』の存在を聞いてみると良いでしょう。ほぼ100%、ほぼ全員が「知らない」「聞いたこともない」と首を横に振ることと思います。



日蓮の正統な後継を自称し、他宗派を批判している教団信徒が、日蓮存命中の信徒組織「大師講」のことも知らず、信徒に向けて基礎教学として講義されていた『一代五時鶏図』等のことも知らないなら、そもそも日蓮の基礎教学とは何なのかということになってくるのではないでしょうか。
気になって創価学会の近年の任用試験の範囲を調べてみたのですが、2016年、2017年、2018年度の任用試験では、試験範囲に「五時八教」等の教判も「五重相対」等も含まれていません。このことは調べてみて驚きでした。



日蓮における教判は、天台智顗説の五時八教を基本とし、それをどう解釈するのかということでしょう。まして大石寺系教義によるなら、大石寺26世日寛説の三重秘伝を大石寺系教義の独自性と捉えてきた筈です。
ところがそれが全くない。過去に学ばれていた筈の「五時八教」も「五重相対」も「宗教の五綱」等も、任用試験範囲ではきれいさっぱり消えている。
創価学会信徒は『一代五時鶏図』が御書に載っているにも関わらず、その存在さえ知らない。読んだことも見たことも聞いたこともない人が大多数です。



果たしてこれで日蓮門流と言えるのでしょうか。
今年の11月に、創価学会は新版の日蓮御書全集を発刊予定だそうですが、もしかしたら『一代五時鶏図』等はきれいさっぱり遺文集から削除するのかもしれませんね。読みもしないものを載せても仕方がないですから。