気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

編集方針のわからない新版御書。




いつもみなさん、ありがとうございます。



さて2021年11月18日に創価学会は、新版の日蓮の御書全集を発刊しました。
この御書全集、いちおう凡例はあるのですが、そもそも底本を何にしているのか全く記載がないんですね。


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画像を挙げますが、凡例の最初に「収録においては御書全集に以下の変更を行った」と書いてはあるのですが、では何を底本にしたのかという記載は全くないんですね。また「真筆が現存する御書で、御書全集の編纂時には未発見・未公開であったため、収録されていないものがある。それらのうち、以下の32編を新たに収録した。」とあるのですが、何を底本にしたのかが全くわかりません。真蹟から翻刻したのか、真蹟から翻刻したのならきちんと実地調査を行ったのか、それとも独自に真蹟画像を入手したのか、法蔵館日蓮聖人真蹟集成から翻刻したのか、それとも現行の刊行本から採ったのか、どういうスタンスなのか全くわからないんですね。


恐らく凡例冒頭の「収録においては御書全集に以下の変更を行った」とあることから、推測するに旧創価学会版御書全集を底本として、そこに新加をして順番を変え、フォントを大きくし、句読点や読み下しを読みやすくしただけなのかという点が問われてくるでしょう。


さらに付言すれば『御義口伝』等の講義類、また『百六箇抄』等の偽撰の可能性が高い相伝書も収録するという方針が示されていますが、その理由・根拠については全く書かれていません。凡例では単に「『御義口伝』『御講聞書』を収録した」とされているだけで、その底本が何かは全く示されていないのです。

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また「不収録」の例として『出家功徳御書』が示され、その理由を「会員の信行に資さないとして不収録とした」とあります。確かに『出家功徳御書』が創価学会信徒の信行に資するところがあまりないというのはよく理解できるのですが、反面「では、信徒の信行に資するのであれば、真偽未決や偽撰説濃厚な遺文も収録してよいのか」という疑問がわきます。

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配列の順番も旧御書全集とほぼ変わらず、最初に十大部を配し、教理書、他宗批判、図表、講義類、諸御抄、書状と続いて最後に日興関連の文献が載るというのは、旧御書全集となんら変わりありません。わずかに『百六箇抄』や『本因妙抄』等の偽書説濃厚な富士門流系の相伝書が巻末に移動しているだけです。

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底本の記載のない御書。
真蹟対照をどのように行ったのか、説明がない御書。
実地調査をしたのか、日蓮真蹟遺文集成から翻刻・対照したのかも説明がない凡例。
編者は単に「日蓮大聖人御書全集刊行委員会」となっていて、具体的に刊行委員の実名が誰一人としてわからない御書。
要するに誰が編集したのか、誰が何の刊行本を底本にしたのか、責任の所在や編集の方針が全く示されない御書。
それでいて、全461篇収録、2000ページを越える御書の監修を、94歳にもなる名誉会長が一人で行ったという奇妙な記載。
大石寺系らしく、非常に閉鎖的な体質を凡例からも強く感じるのは私一人でしょうか。