いつもみなさん、ありがとうございます。
「戒壇本尊と御本尊七箇相承との相違」
「戒壇本尊の重さ」
「日興跡條條事について」
戒壇本尊の大きさは縦143.92cm、横65.15cmというサイズでとても大きなものです。
実は存在します。
少し前のブログで書きましたが、弘安3年の「臨滅度時本尊」は縦161.5cm、横102.5cmという大きさです。これは日蓮が亡くなる時に池上邸に奉掲された本尊です。
ではもっと大きなものはあるのでしょうか。
ここで紹介したいのは弘安3年11月に書写された「伝法本尊」と呼ばれるものです。冒頭の画像を参照して頂ければと思います。画像の1枚目は玉澤妙法華寺にある真蹟で、2枚目はこの伝法本尊を楠木に彫刻したものです。神奈川・妙法寺の板本尊になります。
もちろん授与本尊の大きさだけで、どこの系譜が正統であるのかを計る指標になり得ないのは当然ですが、少なくとも日蓮にあっては日昭にきちんとそのような大きな本尊を贈っているということになります。
邪推やもしれませんが、恐らくは大石寺としては権威があるような日蓮真蹟本尊が寺に残されていなかったことから、寺の正統性を担保するため他山を習って大きな板本尊を偽作したとしても、あながち不自然な推論ではないと私は思います。
追記
ちなみに日昭『譲与本尊聖教事』には、この伝法本尊とともに日蓮真蹟の『註法華経』も日昭に授与されていることが記録されています。真蹟の『註法華経』は正しく玉澤妙法華寺にあることは広く知られているところです。