気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

伝法本尊の大きさ。

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いつもみなさん、ありがとうございます。



さて私は大石寺・奉安堂に存在する、弘安2年造立説の戒壇本尊が、日蓮真作ではない後世の創作であることを何度かブログで書いています。



「弘安2年の戒壇本尊は日蓮の造立ではない」

戒壇本尊と御本尊七箇相承との相違」

戒壇本尊の重さ」

「日興跡條條事について」



戒壇本尊の大きさは縦143.92cm、横65.15cmというサイズでとても大きなものです。
では日蓮真蹟の本尊で、戒壇本尊よりも大きなサイズのものはあるのでしょうか。



実は存在します。



少し前のブログで書きましたが、弘安3年の「臨滅度時本尊」は縦161.5cm、横102.5cmという大きさです。これは日蓮が亡くなる時に池上邸に奉掲された本尊です。



ではもっと大きなものはあるのでしょうか。



ここで紹介したいのは弘安3年11月に書写された「伝法本尊」と呼ばれるものです。冒頭の画像を参照して頂ければと思います。画像の1枚目は玉澤妙法華寺にある真蹟で、2枚目はこの伝法本尊を楠木に彫刻したものです。神奈川・妙法寺の板本尊になります。



この本尊は12枚の紙を繋げて書かれており、日蓮が著した曼荼羅の中で最大級のものです。大きさは縦197.6cm、横108.8cmで、戒壇本尊などとは比べ物にならないほど大きなものです。
この伝法本尊は日蓮から六老僧の日昭に授与されたものです。このことは日昭の『譲与本尊聖教事』にも「一、大漫荼羅弘安三年十一月御筆 一舗」ときちんと記録されています(日蓮宗宗学全書1-11ページ)。
加えて、この伝法本尊には授与書に「釈子日昭伝之」と認められています。つまり「釈迦の弟子・日昭にこれを相伝する」と日蓮の筆で書かれているのです。



もちろん授与本尊の大きさだけで、どこの系譜が正統であるのかを計る指標になり得ないのは当然ですが、少なくとも日蓮にあっては日昭にきちんとそのような大きな本尊を贈っているということになります。



私は大石寺戒壇本尊が後世の創作に過ぎないと考えています。
邪推やもしれませんが、恐らくは大石寺としては権威があるような日蓮真蹟本尊が寺に残されていなかったことから、寺の正統性を担保するため他山を習って大きな板本尊を偽作したとしても、あながち不自然な推論ではないと私は思います。




追記
ちなみに日昭『譲与本尊聖教事』には、この伝法本尊とともに日蓮真蹟の『註法華経』も日昭に授与されていることが記録されています。真蹟の『註法華経』は正しく玉澤妙法華寺にあることは広く知られているところです。
ところで創価学会は2002年に新しく『妙法蓮華経並開結』を独自に発刊しましたが、秋谷栄之助の「発刊の辞」では発刊にあたり、この『註法華経』を底本としたことが書かれています。
ということは、創価学会法華経を発刊するにあたり、日興門流でありながら、日昭門流に伝わっている『註法華経』を「底本」として採用したということになろうかと思います。