気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

『百六箇抄』は要法寺の日尊に付属された。




いつもみなさん、ありがとうございます。



さて『百六箇抄』という御書が、富士門流系にはよく知られていますが、これが後世の偽書でしかないことは、何度かブログで記事にしています。



「『百六箇抄』の問題点①「経巻相承」」


「『百六箇抄』の問題点②「男尊女卑思想」」


「『百六箇抄』の問題点③史実との不整合」



上記記事の③に書いたことですが、そもそも『百六箇抄』には「日興日尊に之を示す」と書かれていまして、大石寺ではなく要法寺にも伝わっていたことがわかります。
ですから『百六箇抄』を大石寺だけが血脈を受けた論拠として用いるのは矛盾していまして、根拠薄弱になってしまうんですね。



そのことを指摘すると、大石寺系信徒さんの中には「堀日亨も加筆があることは認めている」「要法寺系の加筆だ」という主張をされる方もいます。
それでは大石寺18世了玄日精の『家中抄』から引用してみましょう。画像も併せてご覧ください。


「然るに日興一百六箇本迹血脈書を以て日尊に付属して云く、右件の口決結要の血脈は聖人出世の本懐、衆生成仏の直路なり」
(日精『富士門家中見聞下』富士宗学要集5-228ページ)

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また次のようにも書かれています。画像もあげますが、『富士宗学要集』の編者である大石寺59世堀日亨も、引用部分には訂正や注記は全く付けていません。



「正和元年十月十三日に両巻の血脈抄を以て日尊に相伝し給ふ、此書の相承に判摂名字の相承、形名種脱の相承あり、日目、日代、日順、日尊の外漫には相伝し給はざる秘法なり。」
(日精『富士門家中見聞上』同170〜171ページ)

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大石寺の歴代法主である筈の日精が、要法寺の日尊に『百六箇抄』が相伝されていたことをきちんと認めています。そして大石寺日亨はこのことに関して訂正や頭注を全く付していません(既にお読みになられた方ならおわかりのことですが、堀日亨は『富士宗学要集』に収録された諸抄に史実と異なる文やまたその疑いがあれば、必ず注記を付けて読者に注意を促しています)。
『百六箇抄』が大石寺だけに伝わっていたものではなく、それが要法寺の日尊にも相伝されていたことを、大石寺法主である日精が既に史実として認めているということです。