いつもみなさん、ありがとうございます。
さて私はこのブログでたびたび
大石寺系の
日蓮本仏説について批判をしています。
そもそも
日蓮遺文を読めば、
日蓮自身は久遠の釈迦を本仏としていたことは明らかなことかと思います。
ところで、
創価学会や
大石寺の主張する本仏説とは、
日蓮が本来は釈迦の師匠であり、釈迦と
日蓮が別の仏であるとする説になります。
実は
日蓮本仏説を体系化した
大石寺の人物こそ26世堅樹日寛なのですが、実は日寛をよく読むと日寛の本仏説は「
日蓮≠釈迦の別仏説」ではなく、「
日蓮=釈迦の同仏説」と説かれていることがわかります。
上のブログで書いたように、日寛の『
末法相応抄』では「本門の教主
釈尊とは蓮祖聖人の御事」とされ、「
是即行位全く同き故なり名異体同の御相伝本因妙の教主日蓮之を思ひ合す可し」とまでされています。
今回はこれに加えて、日寛の『寛記雑々』を引用してみましょう。ここで日寛は明確に「
日蓮=釈迦の同仏説」を主張しています。
「凡そ蓮祖大聖人は若し外用を論ぜば本化
上行菩薩の再誕、諸抄の中には或は仏の御使と云ひ、或は霊山
相伝等と云ふが如き是れなり。若し内証を論ずれば、久遠元初の本因妙の教主
釈尊なり。」
「只是れ久遠元初の
釈尊の一身なり。故に蓮祖大聖を以て、或ひは上行の後身と云ひ或ひは本因妙の教主
釈尊と云ふなり」
(同3-305ページ)
(同3-313ページ)
どうでしょうか。六巻抄の『
末法相応抄』同様、日寛はここでも明確に「
日蓮=釈迦の同仏説」を主張していると思います。
とすれば、日寛の説いた
日蓮本仏説は、
保田妙本寺の影響を少なからず受けていることが可能性として考えられると思います。