気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

四要品について。

 
 
いつもみなさん、ありがとうございます。
 
 
さて少し某SNSで呟いたところなのですが、実は天台教学では法華経について「四要品」ということが言われます。
これは湛然の『法華文句記』で言われるもので、法華経全編の中でも特に重要とされる4つの品を挙げたものです。
四要品の4つは以下のようになります。
 
1、方便品
2、安楽行品
3、寿量品
4、普門品
 
4つの品をそれぞれ天台教学では教・行・体・用の4つに配し、これは各宗派でも重要視されるものです。
例えば曹洞宗法華経を根本とする宗派ですが、法華経如来寿量品に加えて普門品も読誦することが知られています。
これは比叡山教学から考えても当然のことでして、法華経の中でも具体的な功力や功徳のことを明確に説いているのは普門品(観音経)です。だからこそ曹洞宗では法華経の「用」を示す普門品をきちんと日々読誦するんですね。
 
 
ところが、日蓮は湛然を重要視しながらも、なぜか「四要品」についてはほとんど言及していません。唯一言及が見られるのは日蓮の『唱法華題目抄』であって、これ以外に四要品を日蓮が語っているところを私は知りません。したがって天台宗学で「四要品」を日蓮はほぼ採用していないことになります。以下の画像は創価学会旧版御書全集1ページ冒頭に見られる「四要品」の引用ですが、これ以外に日蓮に「四要品」の用例は見当たらないのです。

確かに『唱法華題目抄』は日興写本が現存しますが、他の遺文に「四要品」の用例は見られませんので、日蓮は「四要品」をほとんど述べていないと考えられます。事実、創価学会信者さんは「四要品」など聞いたことがないのではないでしょうか。
したがって日蓮は「四要品」という語を知っていても、教義としてほとんど使ったことがなかったのではないでしょうか。
 
 
以前にブログ記事で何度か書いたように、法華経安楽行品で説かれるのは「教えに関する争いを好まず、教えに関して争わず、人々に対する慈しみの力を捨てない」修行者の姿勢です。創価学会日蓮正宗系の信者が一部過激化し、他者を罵って憚らないのは、この安楽行品を読まずに軽視しているからではないかとさえ思えてきます。
 
「安楽行品について」
 
「非難中傷行為を繰り返す過激な創価学会系アカウント」
 
湛然の述べた天台教義の「四要品」について、日蓮はほとんど述べておらず、自身の教義として採用していないのではないかと思えます。
曼荼羅本尊の左右両肩に書かれる「有供養者福過十号」「若悩乱者頭破七分」は本来、湛然の『法華文句記』からの引用です。したがって日蓮は湛然説であっても、必ずしも全てを使うわけではなく、知っていても自身の教説として採用しなかったのかと思います。