いつもみなさん、ありがとうございます。
さて法華経における嘱累品が実は22番目ではなく、本来は最終章にあたることを以前このブログでは指摘させて頂きました。
「嘱累品の位置は鳩摩羅什によって改竄・変更された」
嘱累品には以下のような記述があります。
簡単に通解してみましょう。
「未来世において、もし善男子・善女人たちの中に如来の智慧を信ずる者があれば、まさにこのためにこの法華経を説いて聞かせて知らせるべきである。その人をして仏の智慧を得せしめるためである。もし法華経を信受しない衆生がいたのなら、如来の法華経以外の残りの深法の中から教えを示し、利と喜びを与えるべきである。貴方たちはもしこのようにするならば、すなわち既に諸仏の恩を報ずることになる」
と言う意味になります。
岩波文庫版の『法華経』訳者の一人である坂本幸男氏は、この「余の深法」のことをきちんと注記の中で「小乗教と大乗の般若等をいう」としてあり、明確に法華経以外の経典を認めています(岩波文庫版『法華経』(下)364ページ)。