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とはいえ、この『二箇相承』は本来、北山本門寺に伝えられてきた文書なのであって、もしもこれが真蹟であると仮定するなら、日蓮日興の血脈は北山本門寺に伝わっていることになってしまいます。まあ、そんなわけで、『二箇相承』に関しては古来より偽書説が濃厚と考えられています。
「『二箇相承』のこと」
「『二箇相承』写本の誤字」
「二箇相承の不自然な読み下し」
当然のことながら、『二箇相承』に関しては多くの研究者の文献考証により、ほぼ偽書と判断されています。
加えて、京都本圀寺蔵とされる『日朗御譲状』という文献があります。この書もまた多くの方により偽書と判定されているのですが、これを読みますと、日蓮から日朗に法の付属がされたという立場をとっています。以下に画像を載せますが、これは『昭和新修日蓮聖人遺文全集』(平楽寺版)下巻、2001〜2002ページの読み下しのものです。
一読しておわかりのように「法華経の一切の功徳においては、大国阿闍梨に与ふる所なり」「釈尊一代の深理も亦日蓮一期の功徳も残る所なく、悉く日朗に付嘱する所なり」と述べられ、日蓮からの付属が日朗に全て与えられたとする内容になっています。