気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

大石寺はかつて『日朗御譲状』を真蹟と認めていた。




いつもみなさん、ありがとうございます。



さて日蓮正宗大石寺では『二箇相承』(一期弘法付属書、池上相承書)を取り上げて、日蓮から日興「一人」に一期弘法の付属がされたという見解を採っています。
とはいえ、この『二箇相承』は本来、北山本門寺に伝えられてきた文書なのであって、もしもこれが真蹟であると仮定するなら、日蓮日興の血脈は北山本門寺に伝わっていることになってしまいます。まあ、そんなわけで、『二箇相承』に関しては古来より偽書説が濃厚と考えられています。


「『二箇相承』のこと」

「『二箇相承』写本の誤字」

「二箇相承の不自然な読み下し」




当然のことながら、『二箇相承』に関しては多くの研究者の文献考証により、ほぼ偽書と判断されています。


加えて、京都本圀寺蔵とされる『日朗御譲状』という文献があります。この書もまた多くの方により偽書と判定されているのですが、これを読みますと、日蓮から日朗に法の付属がされたという立場をとっています。以下に画像を載せますが、これは『昭和新修日蓮聖人遺文全集』(平楽寺版)下巻、2001〜2002ページの読み下しのものです。


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一読しておわかりのように「法華経の一切の功徳においては、大国阿闍梨に与ふる所なり」「釈尊一代の深理も亦日蓮一期の功徳も残る所なく、悉く日朗に付嘱する所なり」と述べられ、日蓮からの付属が日朗に全て与えられたとする内容になっています。
当然ながら、日蓮正宗側もこの『日朗御譲状』については公式に偽書としています。大石寺系の遺文集にもこの文献が収録されていないのはそういう理由からかと思います。
ところが、過去にかつて日蓮正宗はこの『日朗御譲状』を偽書とはせずに、真蹟扱いにしていたことがあったとの情報をネットのとあるブログ記事で知り、驚きました。


上記のブログ記事で紹介されていますが、具体的には『大日蓮』第2巻第1号(大正6年1月)収録の論考、荒木清勇「一期弘法鈔と日朗御譲状」です。該当のページは12〜13ページになります。

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荒木清勇氏は当時の法華講総講頭だった人物ですが、ここでは当時の法華講総講頭本人が「御真書と認める」と書いています。しかもこの文が掲載されているのは、日蓮正宗の機関誌である『大日蓮』です。



ここからもわかるように、日蓮正宗大石寺は、その時その時で自山に都合の良い教義見解を採ってきたことが推察できるのですが、過去の過失をきちんと認める誠実さには欠けているように私には思われます。