気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

日蓮の真言の摂取。




いつもみなさん、ありがとうございます。



さて日蓮はかつて「法華真言」と同列に並記するほどに、真言を摂取して学んでいたことは周知の事実です。
例えば建長3年(1251年)、日蓮は京都五条坊門小路で高野山覚鑁の『五輪九字明秘密義釈』を書写しています。

f:id:watabeshinjun:20210704065838j:plain



また金沢文庫に現存する『理性院血脈』では大日如来から25代目、空海から18代目に「日蓮」の名が血脈として伝えられています。

f:id:watabeshinjun:20210704065902j:plain



日蓮真蹟で『不動愛染感見記』が保田妙本寺に現存しますが、ここで日蓮は「生身不動明王拝見。十五日より十七日にいたる。大日如来より日蓮にいたる二十三代嫡々相承」とも書かれています。
この『不動愛染感見記』には不動明王が月と玉兎とともに描かれており、愛染明王は太陽と金烏とともに描かれているので、日蓮がこれらを日月の中に感見したことがわかります。考えてみれば、最初期の頃から日蓮曼荼羅本尊を書き表す時、必ず不動と愛染を梵字で勧請します。



加えて、日蓮空海の著作である『秘蔵宝鑰』をきちんと読み、その空欄に注記も加えています。

f:id:watabeshinjun:20210704065924j:plain




つまり日蓮は相当程度に真言を摂取し、後に真言批判に転じた後も、曼荼羅本尊に不動愛染を勧請し続けるなど、法華経の名の下に真言を包摂しようとした節が見られます。
そもそも本尊を「曼荼羅」(日蓮は「漫荼羅」と書く)と呼びますが、この「曼荼羅」という語は本来真言で使われる言葉です。




単に真言を「邪宗だ」と言って罵ってきた過去が創価学会にはありますが、日蓮の中では真言の影響が少なからずあり、それらをきちんと冷静に学ばなければ、本来、日蓮が何を伝えたかったのかさえ後世に伝わらなくなろうかと思います。そもそも「即身成仏」という教義は空海が作ったものなのであって、法華経には「即身成仏」は説かれていないのです。





参考文献
都守基一『日蓮聖人書入『秘蔵宝鑰』古写本の影印と解題』、大崎学報159号所収、2003年