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この『不動愛染感見記』には不動明王が月と玉兎とともに描かれており、愛染明王は太陽と金烏とともに描かれているので、日蓮がこれらを日月の中に感見したことがわかります。考えてみれば、最初期の頃から日蓮は曼荼羅本尊を書き表す時、必ず不動と愛染を梵字で勧請します。
単に真言を「邪宗だ」と言って罵ってきた過去が創価学会にはありますが、日蓮の中では真言の影響が少なからずあり、それらをきちんと冷静に学ばなければ、本来、日蓮が何を伝えたかったのかさえ後世に伝わらなくなろうかと思います。そもそも「即身成仏」という教義は空海が作ったものなのであって、法華経には「即身成仏」は説かれていないのです。
参考文献
都守基一『日蓮聖人書入『秘蔵宝鑰』古写本の影印と解題』、大崎学報159号所収、2003年