いつもみなさん、ありがとうございます。
・『阿仏坊御書』(真蹟不存)で阿仏坊の五体を「地水火風空」の五大と配するのは、覚鑁の『五輪九字妙秘密義釈』の真言密教の思想である。同抄を文永9年述作の真蹟と仮定するなら、佐渡以降も日蓮は真言の思想を持っていたことになる。
他にも様々なことが言える気がしますが、今回はこの辺にしておきます。
日蓮は国家諫暁を行い、国の安泰を図るため、禅と念仏者の寺を焼き払い、首を刎ねることを為政者に進言します(『撰時抄』)。日蓮が真言を批判するに至ったのは、当時の真言もまた国家と深く結びついており、日蓮はそれに変わって自身が国師として用いられ、祭政一致国家の樹立を図ったのでしょう。そのため、自身の教理の中に真言を取り込んでしまい、自身の曼荼羅本尊に真言を内包させてしまい、法華経における統一化を企図したのかと思います。