いつもみなさん、ありがとうございます。
さて今回は
大石寺の
戒壇本尊の彫刻の仕方についてです。
大石寺の
戒壇本尊は楠木でできていまして、
細井日達の説法によれば半丸太状のカマボコ形をしています。そして全体には黒漆が塗られ、本尊の文字を彫刻、その掘り下げた文字に金箔を施してあります。
ここで指摘したいのは、金箔を流し込んである
戒壇本尊の文字は全て「掘り下げ」で彫刻されているということです。
戒壇本尊が
日蓮の真作であると仮定するならば、当然ながら板の表面に
日蓮が筆で書くことが制作過程で必要になります。
普通に考えれば
②文字に沿って墨文字を削って掘り下げる
④削られた文字に金箔を流す
ということになる筈です。
ところで、ここで先日
偽書として紹介した『経王殿御返事』が最大の問題になります。このブログで『経王殿御返事』を
偽書としましたが、
日蓮正宗大石寺も
創価学会も同抄を
偽書とは断定していません。
この御書には何と書いてあるか。ここに「
日蓮がたましひ(魂)をすみ(墨)にそめながして・かきて候ぞ信じさせ給へ」と書いてあることは
大石寺系信徒には広く知られています。
上記の画像は、
創価学会旧版(堀
日亨版)御書全集の1124ページです。
さて
曼荼羅本尊の表面に書かれた文字が「
日蓮がたましひをすみにそめながして」書いたものなのならば、なぜ「
日蓮が魂を染め流した文字」を掘り下げて削っているのでしょう。
「
日蓮が魂を染め流した文字」なら、文字は削って掘り下げるのではなく、文字を生かして周りを削って「掘り上げ」るべきです。
個人的な感想ですが、
戒壇本尊も偽作なら御書も偽作が多い故に、教義の整合性が取れない事態が多数発生してしまうのかと思います。
もしも
日蓮が魂を墨に染め流して書かれた本尊の文字なら、それらの文字は「
日蓮が魂」であり、決して彫刻で削り落として良いものではない筈です。