気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

真言を包摂する日蓮。




いつもみなさん、ありがとうございます。



さて日蓮は、曼荼羅書写を始めた初期の頃から、一貫して不動愛染の梵字を書くことが多いです。
例えば佐渡に流される途中の依知で書いたとされる「楊枝本尊」でさえ、きちんと不動と愛染の梵字が書かれてあります。


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不動明王愛染明王も、法華経には出てきません。それにもかかわらず、きちんと書かれていることは不思議なことです。


以前、日蓮真蹟の『不動愛染感見記』(保田妙本寺蔵)のことを何度かブログで書いたことがありますが、感見記で日蓮は月の中に生身不動明王を、太陽の中に愛染明王を拝見したことが述べられています。また『不動愛染感見記』では日蓮自身が「大日如来より日蓮に至る二十三代嫡々相承」とまで書いているのです。


加えて『不動愛染感見記』では、不動明王が月、そして「玉兎」と呼ばれるウサギとともに描かれており、さらに愛染明王は太陽の中に「金烏」と呼ばれるカラスとともに描かれています。



「金烏と玉兎」



日蓮法華経至上主義の人だったことから、返って見落とされがちなのですが、法華経の題目を中心にさまざまな教えを包摂するところが随所に見られます。とりわけ梵字曼荼羅に書いている時点で、真言の影響が大きいことは否定しようがないだろうと個人的には考えています。
法華経には説かれない真言の教えである「即身成仏」を自身の教義に取り込み、法華経に説かれない不動愛染を梵字で書き、法華経に説かれない天照大神八幡大菩薩をも曼荼羅中に書く……こういったところに、日蓮の諸教包摂性のような特徴がよく出ていると思います。