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さて
大石寺4世日道の『三師御伝土代』には以下のような記述があります。
本門教主ハ久遠実成無作
三身、寿命無量
阿僧祇劫常住不滅我本行菩薩道所成寿命今猶未尽複倍上数ノ本仏也。」
(日道『御伝土代』
日蓮正宗歴代
法主全書、第1巻271ページ)
ここで日道は
日蓮の本地を「
上行菩薩」「久遠実成
釈尊の最初の結縁第一の弟子」であるとしています。
続く文では
如来寿量品における久遠実成の釈迦が本仏であるとしています。
この記述は、
大石寺の第2祖日興の『三時弘経次第』における記述と一致します。日興はここで
日蓮の本地を「付属弟子
上行菩薩」であるとし、本門寺の本仏を「久成釈迦仏」としています。
「富士山・本門寺の久成釈迦仏」
すなわち
日蓮の「本地」を「
上行菩薩」とし、久遠の釈迦の第一の弟子であるとする立場に関して、日興と日道の見解は一致しているということです。
さらに付言すれば日目の申状にも日道の申状にも、日興の『三時弘経次第』を添付して上奏する旨が記されています。
上記から考えても、
日蓮本仏説は日興、日目、日道の中には見られません。
つまり
日蓮本仏説は後世に形成された教説に過ぎず、本来の
日蓮・日興の教説ではないということになります。