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創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

日興における久遠実成釈迦如来。




いつもみなさん、ありがとうございます。



ブログでは度々書いていますが、日蓮の遺文にも、その弟子日興の遺文にも、日蓮を本仏とする主張を見つけることはできません。
日興その人がそもそも釈迦について「本師釈迦如来」とまで表現しています。



「本師を釈迦如来とする日興」



今回は、日興の著作から『与波木井実長書』を引用してみましょう。



「一閻浮提之内に日本国、日本国之内に甲斐国甲斐国の中に波木井の郷は久遠実成釈迦如来之金剛宝座也。天魔波旬も悩す可らず。上行菩薩日蓮上人之御霊崛也。怨霊悪霊もなたむべし。天照大神之御子孫之中に一切皆念仏を申て背は不孝也。適(たまたま)入道一人法華経を説の如く信進候は、いかて孝養の御子孫に不候耶。法華此所より弘らせ給へき源也と御所作之申事には候へし。仏は上行・無辺行・浄行・安立行の脇士を造副進せて、久成之釈迦に造立し進せ給へし。又安国論之趣違まいらせ給へからす。総して久遠寺之院主学頭は未来まても御計へて候へし。
正応元年戊子十一月 日   日興
使者下野公」
(日興「与波木井実長書」『日興上人全集』所収、350ページ、興風談所、平成8年)



日興が身延を離れる原因を作ることになる、その波木井実長に宛てた書状ですが、まず日興は「波木井郷が久遠実成釈迦如来の金剛宝座」と呼んでいます。つまり日興にあっては、久遠の仏とは「釈迦如来」のことなのであって、だからこそその後に続いて「上行菩薩日蓮上人の御霊崛」と称しています。



さらに注目されるべきは後半です。
釈迦像の造立に際して、日興は波木井実長に対して「四菩薩の像を脇士として造立して、釈迦像に添えて造立すべき」と述べています。
つまり日興にあっては、久遠実成の釈迦如来こそが末法本門寺における本仏なのであって、上行菩薩等の四菩薩を釈迦像の脇士として添えて造立することは教義上、何の問題もない、むしろ日興にあっては正しいことであったということです。



日興は諸文献から判断するに、決して仏像否定論者なのではなく、釈迦一仏・始成正覚の釈迦像を否定したということです。四菩薩を併置した釈迦像に関しては、それが「久遠実成釈迦如来」を示すものなので、きちんと肯定しているのです。