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創価学会の非活メンバーによる語り

「転重軽受」の淵源は。




いつもみなさん、ありがとうございます。
さて以前、私は読者から質問を受けて、「転重軽受」というものが何の経典に由来するものなのかを考えてみたことがあります。


「転重軽受と罪障消滅の剽窃


ところで、ここで私は日蓮の遺文の中から見て、「転重軽受」の用例を大乗涅槃経由来と私は考えていました。


で、その後、いろいろ読んでみたのですが、どうも涅槃経には直接「転重軽受」を使った用例は見られないようです。そもそもこの「転重軽受」という語は浄土宗でもよく用いられる教義です。ですからこれは日蓮系教団のみのものではなく、むしろ大乗教全般に使われているものと考えた方がよいのかと思います。
そして同様の思想は大乗涅槃経以外にも華厳経等にも見られます。また龍樹の『十住毘婆沙論』の除業品や分別功徳品では懺悔することにより罪業滅尽し、業の報いを軽く受けることが説かれますから、「転重軽受」と同様の思想は龍樹によって説かれ、『十住毘婆沙論』から浄土宗に流入したことがわかるかと思います。



直接「転重軽受」の用例を最初に用いたのは、中国唐代の華厳宗三祖賢首大師法蔵(643〜712)の『華厳経探玄記』のようで、ここで法蔵は華厳経を解説し、「大乗経典を読誦すれば重きを転じて軽く受ける」ことが説いています。


さらには浄土教ではどうかと言うと、恵心僧都源信の『往生要集』において、この「転重軽受」が用いられています。ここで源信は涅槃経や華厳経般若経の論証を挙げて大乗の経典は「転重軽受」を説いているとしています。


日蓮系教団のみが「転重軽受」の教義を持つのではなく、むしろそれは龍樹の『十住毘婆沙論』や源信の『往生要集』などで解釈された考えでしょう。それはむしろ浄土教流入した考えであり、また大乗教全般に見られる教えであって、日蓮系や法華経系独自のものではないと思います。



参考文献:
小川法道『転重軽受の思想史』仏教大学大学院紀要、文学研究科編、第47号所収、2017年3月。