気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

『四菩薩造立抄』について。

 
 
いつもみなさん、ありがとうございます。
 
 
 
ところで『四菩薩造立抄』という日蓮の遺文をみなさんはご存知でしょうか。
この御書は録外初出、日蓮真蹟も古写本も現存しません。したがって同抄の成立については疑義が持たれているようです。
この御書は弘安2年5月17日の日付があり、仮に真蹟と判断するなら佐渡以降、身延にいる頃に書かれたことになります。
 
いくつかの伝によるなら、富木常忍からの供養の品物が贈られ、その中で仏像造立について富木氏が日蓮に指導を仰いだのに対して送られた書状ということになっています。
内容は日蓮が釈迦仏像を一尊四士(釈迦像の周りに上行・無辺行・浄行・安立行の四菩薩を立てて建立される仏像形式)を認め、今がまさにその時期であることが示されています。
 
具体的に引用してみましょう。『四菩薩造立抄』では「御状に云く本門久成の教主釈尊を造り奉り脇士には久成地涌の四菩薩を造立し奉るべしと兼て聴聞仕り候いき」(創価学会旧版御書全集987ページ)「今末法に入れば尤も仏の金言の如くんば造るべき時なれば本仏・本脇士造り奉るべき時なり」(同988ページ)と書かれています。弘安2年の述作なのに日蓮が仏像造立を認め、今がその造立の時であると日蓮が認めていることになります。

 
この御書は真蹟不存ですが、創価学会日蓮正宗等の教団もこの『四菩薩造立抄』については教団発行の御書全集に収録しており、指導でも使っております。
ところが、創価学会日蓮正宗は、この御書の「仏像造立」という点からは論点を逸らし、部分的な切り売りで、信徒に学ばせるのです。例えば日蓮は世間には日本第一の貧しき者なれども仏法を以て論ずれば一閻浮提第一の富める者なり」(同988ページ)日蓮が弟子と云つて法華経を修行せん人人は日蓮が如くにし候へ」(同989ページ)などです。特に創価学会では後者を切り文で引用して「師弟不二の信心を貫く」等、同抄の論点とは逸れた、全然違う指導をします。また日蓮正宗では富木常忍さえも批判し「日蓮大聖人の深い法門をご理解できなかったのであろう」と訳のわからない論点逸らしをするのです。同抄を読めば明らかですが、日蓮自身が明確に「一尊四士」の「仏像造立」を認め、その「時」がまさに「今である」と述べているのです。

 
教団は教団に都合の良いように遺文を解釈します。むろん教義の裁定権が教団やその教学部にあることは当然ですが、それにもかかわらず、宗祖の遺文とされるものを全く違う論点にすり替えるというのはやはり批判されて然るべきかと私は思います。