気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の非活メンバーによる語り

梵字「バン」について。

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いつもみなさん、ありがとうございます。



さて今回は冒頭の画像にある、梵字「バン」についてです。
この文字は「バン」と読みまして、日蓮門流の曼荼羅本尊では向かって右側に書かれます。多くの創価学会員さんや大石寺法華講さんもご存知のことと思います。日蓮門流ではこのバン字を「不動明王」と配するのが一般的です(左側の「ウン」の字は「愛染明王」とされます)。


ところで不動の種子は「バン」ではなく「カーン」とされるのが普通です。
けれど日蓮曼荼羅に書いている文字はやはり「バン」であろうと思うんですね。というのも日蓮のここでの梵字は下がすっと真っ直ぐに降りており、下部の画数が多い「カーン」とは明らかに相違しているからです。


日蓮は修学時代、覚鑁の『五輪九字明秘釈』を書写していますが、ここに見られる五輪思想では宇宙の成立を「地」「水」「火」「風」「空」の五大に配します。この五大の思想は日蓮の場合は『総勘文抄』や『阿仏房御書』に見られます。創価学会版御書ですとそれぞれ568ページ、1304ページになります。ただし両抄ともに真蹟不存です。
この「地」「水」「火」「風」「空」の五大を梵字に配すると「ア」「バ」「ラ」「カ」「キャ」になりまして、この水大の「バ」に大空点を打ったものが実は「バン」なんですね。


水大は火と相克します。私が考える日蓮の本意はこの水大の思想の「バン」であると思うんですね。
なぜそう思うかと言うと、日蓮が信仰の問題を語る際に「火」と「水」を対立させて述べている以下の文章を私は思い出すからです。
多くの創価学会員さんも恐らくご存知のことでしょう。



「或は火のごとく信ずる人もあり・或は水のごとく信ずる人もあり、聴聞する時は・もへたつばかりをもへども・とをざかりぬれば・すつる心あり、水のごとくと申すは・いつも・たいせず信ずるなり」
(『上野殿御返事』創価学会版御書、1544ページ)

「何なる世の乱れにも各各をば法華経・十羅刹・助け給へと湿れる木より火を出し乾ける土より水を儲けんが如く強盛に申すなり」
(『呵責謗法滅罪抄』同1132ページ)


上の2つとも真蹟不存ですが、『上野殿御返事』は日興写本が富士大石寺に現存します。



日蓮の花押は初期に「バン」の字、後期に「ボロン」に変わったとする説がありますが、「バン」を用いた日蓮の意義は、五大の水大の徳を表現したのではないかと考えています。







参考文献:
石川修道「日蓮聖人の賢王思想」『教化学研究1  現代宗教研究第44号別冊』所収、日蓮宗現代宗教研究所、2010年3月。