いつもみなさん、ありがとうございます。
さて今回は前回に引き続き、社長会記録の第2回目の紹介です。第2回目の社長会は昭和42年7月20日に行われました。第1回目のメンバーに加えて第2回目には森田一哉氏、また鳳書院社長の小島重正氏が参加しています。
「第2回社長会[於春日] 42.7.20 午後5:00〜7:00
先生、和泉、北条、中西、森田、田中、八矢、篠原、星野、小島、星生、木村
◎星野さん都議会へ向った為、本部より森田さん参加。鳳書院の小島さん、今回より参加。
◎今回の都議会はこちらの予想通りになった。政治に初めて口を出した。今迄と全然違う。都議会の夜明けだ。
◎私は人が喜ぶことしか考えていない。
文化財のような人間だ。
◎木村君も少し肥った。東洋ビルは10年来の念願だ。着実に考えてゆこう。順調にゆけ。
◎私はこの一年間よく生きられたと思う。本当は死ぬ気でやった。いつ死んでもよい体制を作って来た。いつ死んでもいい覚悟でやって来た。遺言を書いてする闘いだった。
学生部、高等部が成長して本当によかった。
◎第二ラウンドに入って皆、明るくなった。
◎東大出身者の異常事件が多い。東大生は性格異常が多い。子供は東大へ行かせたくない。行かなくてよかった。ひどい受験競争の為、人の事は考えられないエゴイストが出来上がり、人間疎外の教育になる。子供は健康でのびのびと育てなさい。学校へいったかいかないかは幸福とは別だ。子供に前に成績が下がった時、「勉強しなかったから下がった事を覚えておきなさい」と理解させて、今度体育がBになったら、「あまり遊ばなかったから体育が下がった」と云った。理屈があっている。「成績が下がったら叱られると思ったか」と聞いたら、「思わなかった」と答えた。「少しも思わなかったか」と聞いたら、「少し思った」と云った。親の心はちゃんと解っている。
本当の指揮をとってやる。
◎報告書の決済。朝早く決済書類をもって来る。非常に速い。家内がお茶を入れている間に、もう見てしまう。お茶を入れて待っているので、「もう見たから」と云うとびっくりしている。又、報告書の書き方に性格があらわれる。浩ちゃんの字も解り易くなった。星生さんは自分がやった、七分は事務的。森田さんは堅苦しい。竜さんは事件を起すぞ、事件にするぞ。辻さん指示、鈴木さんわかりにくい。山崎くんあたりが70点位、だいたい良い。
◎外部の人が先生にお目に掛りたくて、押しかけており、講演依頼が一生かかっても終らない位ある。内部の者以上に外部の人が敏感に反応する。
◎第二ラウンドに入って、先生が陣頭指揮を外部は敏感に摑んでいる。八月も東京には二日しかいない。
(「継命」編集部編『社長会全記録』より28〜29ページ、継命新聞社、昭和58年)
以上です。第2回目も自由闊達な池田大作氏の調子がよくわかります。あまりに自由過ぎて聞いていて大丈夫かとハラハラするようなところがありますが、これは私が活動家の頃に池田氏のスピーチを聞いて受けたのと同じような印象があります。
まず驚かされるのは「東大生は性格異常が多い」という発言です。いくら活字化されることが予定されていない懇談の席とはいえ、これはあまりに非常識な発言でしょう。個別にそのような事案があったとしても、何の検証もないままに「東大生」を一般化して卑下するのはやり過ぎです。池田氏は「子供は東大へ行かせたくない。行かなくてよかった。ひどい受験競争の為、人の事は考えられないエゴイストが出来上がり、人間疎外の教育になる。」とまで発言しているのです。
次に驚いたのは「報告書の決済」です。これを読むと会内の決済書類に関して、会長の池田大作氏がきちんと目を通しており、それをきちんと理解した上で批評しているのがわかります。
同書の注記に書かれていることなのですが、池田大作氏は昭和57年10月、山崎正友元創価学会顧問弁護士を被告とする「3億円恐喝・5億円恐喝未遂事件」の裁判に証人として出廷しており、その中で被告の弁護人から「報告書の決済」について質問され、池田氏は「他人がやっている」「よくわからない」という証言に終始しています。この社長会記録を読む限り、それらの証言が偽証であったことになります。
追記
なお報告書の決済に関して挙がっている名前は以下の人物と考えられます。
「浩ちゃん」→北条浩
「竜さん」→龍年光
「辻さん」→辻武寿
「鈴木さん」→鈴木一弘
「山崎君」→山崎尚見