いつもみなさん、ありがとうございます。
戒壇本尊は、弘安3年日禅授与本尊をもとにして模刻されたことも多くの方によって指摘されているところです。
「戒壇本尊と日禅授与本尊の諸尊勧請の一致」
「戒壇本尊が偽物である理由を列挙してみる」
実はあります。
しかも日精は板本尊として模刻する際、わざわざ原本の「弘安三年八月日」を「二月」に改竄しているのです。
2、日精模刻の板本尊(寛文13年8月、栃木県浄圓寺蔵)
この日精の板本尊では日付がきちんと「八月」が「二月」に改変されているのがわかります。
つまり日蓮真蹟本尊を模刻する際、その日付等を変えることは当時さして問題視されていなかったということになります。
ここから推論するなら、戒壇本尊の偽作者もまた日禅授与本尊等の他の日蓮真蹟本尊を基にして自山の権威化のため、戒壇本尊を板模刻するに至った、その際、何の関係もない「弘安2年10月12日」という日付を創作することは、何ら間違ったこととして捉えられていなかった、ということが推察できるでしょう。
参考文献