気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

佐々木交賢氏の学的誠実さと真理を愛する姿勢。




いつもみなさん、ありがとうございます。



さて、私は創価大学出身であり、さまざまな方と出会ってきたことが精神的な財産となっています。
優秀な学生や先輩方、また教授陣に出会うことができて、今になってその学恩に感謝することも多いのです。
その中で忘れられない一人に、デュルケーム社会学研究の泰斗である、佐々木交賢先生がいます。



創価学会の初代会長である牧口常三郎氏は、その著書『創価教育学体系』を繙けばわかるように、社会学者のエミール・デュルケームから多大な影響を受けています。少し開いて読んでみればページの端々にデュルケームの引用が散見されることでしょう。だからこそ創価大学デュルケーム研究者がいることは非常に重要なことです。佐々木交賢氏は、牧口常三郎氏と親交のあった田辺寿利氏にも師事されていました。また新明正道氏の弟子でもあります。



私が佐々木交賢氏に惹かれる理由は、彼が真理を求める学問的誠実さに貫徹されていたということです。
佐々木交賢氏が亡くなった際、弟子である杉山由紀男氏(現創価大学教授)は、日仏社会学会の追悼文「佐々木交賢先生を称える」の中でで以下のように述べています。


「私も学生時代創価大の佐々木ゼミの一員であったが、本当に自由な雰囲気の中でのびのびと勉強させてもらった。先生は自分と異なる見解についてもそれをよく尊重された。しかし、学問に対する先生の姿勢は厳しく、根拠薄弱な見解については容赦がなかった。ある時、私は学内の研究会での発表を先生から機関銃のように攻撃されて文字通り閉口したことがあった。真理を愛してそれを誠実に追求する頑固なまでの信念と姿勢を先生はけっして曲げなかった。」
(杉山由紀男「佐々木交賢先生を称える」日仏社会学会)



佐々木交賢氏は師である新明正道氏(元創価大学教授)の創唱した「新明社会学」を批判したこともありました。佐々木交賢氏の著書『デュルケーム社会学研究』(恒星社厚生閣、1978年)では、新明社会学への批判を含む論文も収録されています。この後書きで佐々木氏は次のように述べています。



「本書に収録の論文のなかには新明先生の学説への批判がましい箇所もある。未熟の私が新明社会学を批判するのは全くおこがましいかぎりである。ある学者は、あんな批判をするなど非礼だと新明先生に申しあげたようである。わが国の学界に恩師の学説を批判することを非礼とする風習があることは私も充分心得ている。しかし海の如く広いお心をおもちの新明先生は一笑に付されたようである。先生は学生時代から、「自分をのりこえて行け」といつも激励して下さった。私は、むしろ新明先生への御恩返しの意味で新明社会学批判をしたのであって、そのことは先生御自身深く理解して下さっていた。研究の対象、批判の対象には巨峰を選ぶべきであろう。私の社会学研究会・批判の対象にはデュルケームとともに新明先生がおいでになる。それはデュルケームも新明先生も超一流の社会学者だからである。そして私の前に大きく立ちはだかっている巨大な存在だからである。」
(佐々木交賢『デュルケーム社会学研究』308ページ、恒星社厚生閣、1978年)

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真理を愛する姿勢、学問的な誠実さは、私が創価大学で学んだ、最も大切なことであると感じます。
そして同時にこんなブログを書いている自分の目から見れば、そのような学問的誠実さを見失い、真実を隠して信徒に見せず、偽装された教義と作られた神話で信徒を欺き続ける教団こそ、創価学会であり、また日蓮正宗であり、諸々の大石寺系教団であると思います。