気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

玉野日志に論破された「御肉牙」




いつもみなさん、ありがとうございます。



さて日蓮正宗大石寺は、「御肉牙」というものがあると主張されています。これは日蓮の歯がグラグラして肉とともに抜け落ちたものを日興が取り、日目に相伝されたというものです。


「御肉牙について」

「かつては御肉牙を拝観していたこと」

「御肉牙は大石寺14世日主の時にはまだ存在しなかった」


そもそも歯が肉とともに抜け落ちるというのは、重度の歯槽膿漏や強引に引き抜くことがなければ有り得ないことですし、それが抜け落ちた後、肉の部分が増え続けるという事態も常識から考えて有り得ないというものです。
北山本門寺34世の玉野日志は、上条大石寺の52世鈴木日霑との問答において、この「御肉牙」を論旨明快に批判しています。



「又御生骨と称す蓮祖存日生歯を抜き血脈相承の証明として之を日興に賜ふ事の広布の時に至らば光明を放つべきなり云云、日興より日目に相伝し代々附法の時之レを譲り与へて一代に於いて只一度代替虫払之尅之を開封し奉り拝見に入れしめ常途は之を開かず云云、怪ひかな京都通用の昔は此ノ説なし、文政年中に至ツて此ノ説起れり、又其レ之レを説く肉年を追て長大すと、家中抄に云ク其ノ頃御牙歯脱落す聖人此ノ歯を以て日目に授け云く我に似かり問答能くせよと玉はりける御肉付の御歯と申スは是レなり、之ノ歯当山霊宝ノ随一也広宣流布之日放光給ふべしと云へり、今放光したまふべしと云へりと云フ訝し唯虚実を論せず妄伝を記して愚信を取るの謂ひならん、仏法中に此ノ道理決してあるべからず是一、自然脱落するに肉の付イて抜ける理ありや癩人か蓋し将タ口中の腐敗せる者の外に決して肉の付イて脱落する理あるべからざるなり、是ニ、精師ぬけたる歯を問答よくせよとて日目にたまはりたりといへり、今古説に反して生歯を抜イて付属の証明として日興に授くと云フ仏法中に生歯を抜イて付属の証明とする道理ありや、身を傷ケて法を伝付する文証ありや、外典身躰髪膚を保護する以テ孝養とす況や五十の功徳を備へ六根備足せる法華の行者自ら身を傷ケて付法の証とする理あるべからず是三、精師は唯霊宝の随一と云ツて其ノ余を語らず、然るを生歯を日興に授け日興より日目に授くと偽説し代々付法の時之レを譲与し一代一度代替に之を開封すと云フは文政年中に事を忍んで愚信を釣るの策略に似たり道徳心の恥ツべき所業にあらずや是四、肉身終に朽滅するは仏家の常談仮令ヒ肉の付イて抜けたりと許すともあらば其ノ肉終に朽滅するは一定の理なり、然るに実に其ノ肉却ツて増大することあらば全く天魔波旬の所業か然らずば愚民を惑溺せしむる作物には過ぎざるなり是五、又溺信する者の云ク流布の日歯の不足帝王出現せり此ノ歯を以テ備足せしめ、蓮祖なることを知ると、本化国主なることを顕はさんとて生歯を抜きたまへるや、又追才増大する肉を入歯するに至ツて取リ捨ツるや自然微小になりて合するや何れにせよ増大するは無益なり、入歯前に光明を放ちたまふや、又入歯後面門俄開の類なりや訝し、家中抄を以テみれば抜けたる歯を問答よくせよと玉はりたる迄にて別に深き子細もあらざるなり。」
(玉野日志「本門寺問答之部」明治12年3月、『両山問答』より、富士宗学要集7-47〜48ページ)

f:id:watabeshinjun:20211211095531j:plain


f:id:watabeshinjun:20211211095557j:plain


非常に明快な論旨です。京都要法寺と上条大石寺との通用があった頃に、「御肉牙」という教義は全く存在せず、文政年中に突如として現れた新説で、「愚民を惑溺せしむる作物には過ぎざるなり」と玉野日志氏は述べています。私も全く同感です。