いつもみなさん、ありがとうございます。
なぜこのように上の部分だけ逆さまに印字されているのでしょう。
実は『一代五時鶏図』『一代五時図』『一代五時継図』を見るとわかるのですが、弟子の前で講説をしているんですね。
『一代五時鶏図』等の図表(つりもの)が、日蓮在世中の信徒組織、大師講で講義されていたことはよく知られていることです。だからこそこの『浄土九品の事』でも聴講者向きに向こう側が逆さまで書かれているんですね。
「大師講のこと」
「基礎教学としての『一代五時鶏図』」
『浄土九品の事』の内容は、法然『選択集』から拾い出した法然浄土教の大要です。続いて日蓮以前に比叡山等から浄土教が批判されてきた系譜を挙げます。そして浄土教における教判を示し、天台智顗の五時八教判との違いを明確にしていくのです。
そして『百六箇抄』『総勘文抄』『生死一大事血脈抄』など真偽未決、偽作をもって教学を構築したところで、それは日蓮とはかけ離れたものになるだけです。それは日蓮の純粋な著作に依拠していない以上、日蓮の教えとは言えないのです。
いい加減、夢を見るのをやめて、日蓮の真蹟から純粋に日蓮教学を読むことを始めなければ、日蓮門流にさえならないこと、そしてそのような妄想教義を勝手に信じている大石寺系教団がすでに日蓮系諸派から笑われていることに、信徒たちは早く気づくべきだと思います。