気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

『浄土九品の事』の逆向きの文字。




いつもみなさん、ありがとうございます。



さて日蓮の遺文に『浄土九品の事』というものがあります。真蹟は西山本門寺に現存しています。
この遺文を、創価学会版御書全集で初めて読んだ時に、逆さまに印字されている部分があり、とても奇妙に思ったことを覚えています。創価学会版御書全集で699ページの箇所になります。

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なぜこのように上の部分だけ逆さまに印字されているのでしょう。
実は『一代五時鶏図』『一代五時図』『一代五時継図』を見るとわかるのですが、弟子の前で講説をしているんですね。
『一代五時鶏図』等の図表(つりもの)が、日蓮在世中の信徒組織、大師講で講義されていたことはよく知られていることです。だからこそこの『浄土九品の事』でも聴講者向きに向こう側が逆さまで書かれているんですね。



「大師講のこと」

「基礎教学としての『一代五時鶏図』」



『浄土九品の事』の内容は、法然『選択集』から拾い出した法然浄土教の大要です。続いて日蓮以前に比叡山等から浄土教が批判されてきた系譜を挙げます。そして浄土教における教判を示し、天台智顗の五時八教判との違いを明確にしていくのです。



日蓮が信徒組織である大師講で、信徒向けに講義していたものはこのような五時八教判や他宗批判の教判についてです。
日蓮の純粋な教えを学ぼうと思うのなら、まずは天台智顗や妙楽湛然由来の天台宗学、五時八教判を学ばなければならない筈です。日蓮が信徒に対して行っていた講義はそのようなものなのですから。
すでにブログで何度か指摘しているように『御義口伝』は後世の偽作です。ですから『御義口伝』『御講聞書』等の講義類を日蓮の真作と勝手に判断するのは、日蓮の純粋な教えにはなりません。
そして『百六箇抄』『総勘文抄』『生死一大事血脈抄』など真偽未決、偽作をもって教学を構築したところで、それは日蓮とはかけ離れたものになるだけです。それは日蓮の純粋な著作に依拠していない以上、日蓮の教えとは言えないのです。


いい加減、夢を見るのをやめて、日蓮の真蹟から純粋に日蓮教学を読むことを始めなければ、日蓮門流にさえならないこと、そしてそのような妄想教義を勝手に信じている大石寺系教団がすでに日蓮諸派から笑われていることに、信徒たちは早く気づくべきだと思います。