気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

破邪顕正とは。





いつもみなさん、ありがとうございます。




さて創価学会の機関誌である『大白蓮華』2021年10月号を見ていて「仏法哲理の泉-折々の指導から」という記事で、「破邪顕正」と言う言葉が出てきました。



近年、あまりに他宗派との対論をしなくなった創価学会の現状から見れば、この「破邪顕正」の語を今更出してくるのは、理解に苦しむところがあるのですが、池田大作氏の指導を抜粋して載せ「破邪顕正」の精神を学んでいくことを会員には訴えているものと推察できます。

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別に各宗教団体がどんな教義を唱えようと自由ですし、構わないことなのですが、今更この時代に「破邪顕正」で他宗派批判などできないと思います。そもそも教学的には青年部はほぼ何も知らない人たちばかりですし、現在の壮年部や婦人部(かつての青年部)の人たちの宗教批判は天台智顗の五時八教くらいしか知らず、偏った天台教学と日蓮遺文の知識くらいで他宗派を批判するなど噴飯ものです。



ところで、この「破邪顕正」と言う言葉は、誰が説いたものなのでしょう。私はこの表現を日蓮遺文中で一度も見たことがありません。


調べてみると「破邪顕正」という語は、中国・随の時代の嘉祥大師吉蔵の著作『三論玄義』に出てくる言葉です。
つまり「破邪顕正」という言葉は、三論宗の用語ということになります。
三論とは龍樹の『中論』『十二門論』と提婆の『百論』のことで、吉蔵はここで般若経の空を説いた書物です。
とすれば「破邪顕正」ということを根本にするということは、創価学会法華経ではなく般若経や龍樹の教えを根本にするということなのでしょうか。



破邪顕正」という語と法華経とで何の関係があるのか、私にはさっぱりわかりません。
扇動的な語句に踊らされるのではなく、きちんと研鑽の上で、その語が何を意味するのか、自教団の依経である法華経日蓮と何の関係があるのかを知ることが、教学の真の意味なのではないのでしょうか。
繰り返しますが、日蓮遺文中で「破邪」「顕正」という語を見たことは、私は一度もありません。