いつもみなさん、ありがとうございます。
近年、あまりに他宗派との対論をしなくなった創価学会の現状から見れば、この「破邪顕正」の語を今更出してくるのは、理解に苦しむところがあるのですが、池田大作氏の指導を抜粋して載せ「破邪顕正」の精神を学んでいくことを会員には訴えているものと推察できます。
別に各宗教団体がどんな教義を唱えようと自由ですし、構わないことなのですが、今更この時代に「破邪顕正」で他宗派批判などできないと思います。そもそも教学的には青年部はほぼ何も知らない人たちばかりですし、現在の壮年部や婦人部(かつての青年部)の人たちの宗教批判は天台智顗の五時八教くらいしか知らず、偏った天台教学と日蓮遺文の知識くらいで他宗派を批判するなど噴飯ものです。
調べてみると「破邪顕正」という語は、中国・随の時代の嘉祥大師吉蔵の著作『三論玄義』に出てくる言葉です。
三論とは龍樹の『中論』『十二門論』と提婆の『百論』のことで、吉蔵はここで般若経の空を説いた書物です。
繰り返しますが、日蓮遺文中で「破邪」「顕正」という語を見たことは、私は一度もありません。