気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

「色心不二」と「依正不二」




いつもみなさん、ありがとうございます。




さて大石寺系教団の信徒さんのよく使う言葉で「色心不二」とか「依正不二」とかがあります。使われる信徒さんたちは決まってこの言葉が日蓮自身の言葉、日蓮の教義であるように誤解されているように思います。



「色心不二」「依正不二」は日蓮の作った教義ではありません。
付言すれば、天台智顗が作ったものでもありません。
これらの教義を完成させたのは、中国天台宗6祖の妙楽大師湛然です。これらの初出は湛然の『法華玄義釈籤』です。
つまり日蓮法華経理解というのは、天台智顗からの摂取というより、その中興の祖である湛然由来の場合がほとんどなんですね。



湛然は、智顗が『法華玄義』で説いた十妙(境・知・行・位・三法・感応・神通・説法・眷属・利益)を解釈するため、『法華玄義釈籤』で「十不二門」を立て、諸教では対立するもの(而二)でも円教の法華経から見れば互具互融して一体化される(不二)と釈しました。
このうち、1番目が「色心不二門」であり、6番目が「依正不二門」になります。



創価学会大石寺系教団信徒さんは、湛然の十不二門を知らない方がほとんどかと思いますので、全て載せてみましょう。


・色心不二門
・内外不二門
・修性不二門
・因果不二門
・染浄不二門
・依正不二門
・自他不二門
・三業不二門
・権実不二門
・受潤不二門



創価学会信徒さんはほとんど「色心不二」と「依正不二」しか知らないと思います。
しかしながら、これらは中国天台宗の湛然の教学なのであって、日蓮が作った教えとは厳密に言えないのではないでしょうか。
「色心不二」について書かれた遺文は、『諸宗問答抄』(西山日代写本現存、創価学会版御書380ページ)『木絵二像開眼之事』(身延曽存、同469ページ)『御義口伝』(偽書説濃厚)があります。最も多く使われているのは『御義口伝』で計5箇所に「色心不二」が出てきます(それぞれ同708、742、747、763、764ページ)。
「依正不二」に関して日蓮遺文では『三世諸仏総勘文教相廃立』(『総勘文抄』真偽未決)の1箇所しか私は見ていません(同563ページ)。


もちろん湛然由来の天台教学から法華経理解をしているのが日蓮の基本姿勢ですから、『法華玄義釈籤』の「十不二門」を学び、その上で円教としての法華経の十妙を解釈するという態度があってもよいのかとは思いますが、今の創価学会日蓮正宗大石寺の多くの信徒さんは、あまりそう言った教義や教学に関心がなく、なんとなく雰囲気で語句を学んでいるだけなのかと思います。それならそれでも構いませんが、湛然由来の教義を、あたかも日蓮が考えた教義であるかのように偽って語るのは勘弁して頂きたいところです。