いつもみなさん、ありがとうございます。
さて少し前の記事で、
日蓮『
立正安国論』の日興による写本が現存し、そこには日興筆で
日蓮自身が「天台沙門」とされていることを紹介しました。
「日興も天台沙門を認めている」
この日興写本は信用性の高いものですが、その客観的な証拠として、この日興写本の裏面に
日蓮本人の真蹟で『夢想御書』なる文章が書かれているのです。
画像を見て頂けたら一目瞭然なのですが、きちんと日付も書かれています。
内容は以下のようなものです。
「文永九年太才壬申十月廿四日夜夢想云、来年正月九日蒙古為治罰自相国大小可向等云云」
文永9年10月24日、
佐渡にいた
日蓮は蒙古国に関する夢を見ます。その記憶を書き留めておこうと、当時
佐渡で一緒にいた日興が書写した『
立正安国論』写本の裏面に直ちに書いたものと推察されます。
つまり日興自身が
日蓮について「天台沙門」と書いた写本を、
日蓮本人がきちんと確認しており、それを批判した形跡も見られないということになります。