いつもみなさん、ありがとうございます。
さて、昭和52年路線で在家主義的な主張をし出した創価学会は、「人間革命は現代の御書」とか「創価学会の会館こそ現代における寺院の意義」等と言い出し、結果として第1次宗創問題を惹起することとなります。この中で最終的に池田大作会長の責任を問われ、会長辞任を持って決着することとなります。
ところで「人間革命は現代の御書である」と発言したのは、福島源次郎氏なのですが(『教学と私』第1巻、昭和48年)、このことを問題にする前、実は大石寺66世の細井日達管長は小説『人間革命』について、意外にも肯定的に評価していたのです。
具体的に当時の文献から引用してみましょう。
「(中略)また心得としては、先程指し上げました『人間革命』を読んでいただきたいと思います。折伏教典も学会・法華講に於いて、非常に活用されて居り、皆様方も読んでおいた方がためになります。また、座談会へ出る時は必ず大白蓮華を持っていらした方が良い。御法門の事でも非常に良く書いてあります。我々が説法する事は、大聖人様・日興上人様の御説法、そのものをするわけでありますが、学会の方は、それに肉を付け話をして居る。だから今の人には解り易く、我々のはどちらかと云えば骨だらけで解る人も少ない。必ずしも学会に限らず法華講でも良いのです。何にしても座談会に出ると云う事は、信者と寺族との関係がはっきりする。そして寺族も働いているんだと印象づけるにも、是非出ていただきたいと思います。忙しいんですから、必ずしも毎週出ろと云う事では無く、最低月に一度は出ていただきたい。寺族は住職と自然行き方が違うんですから、その点をはっきり考えて戴きたいと思います。寺族が住職のつもりで、住職そっちのけで威張っているのがあり、そう云うのは非常に困ります。」
一読して明らかなように、細井日達が創価学会の小説『人間革命』について「読んでいただきたい」と寺族指導会において発言しています。また創価学会の機関誌である『大白蓮華』についても「持っていらした方が良い」「御法門の事でも非常に良く書いてあります」「今の人には解り易く」などと述べています。