いつもみなさん、ありがとうございます。
さて今回は日興の身延離山についてです。
結論から言いますと、日興は身延から何も持ち出していません。
日尊の弟子である日大による『日尊上人仰云』(日尊実録)では以下のように記録されています。
「日興上人仰に云く、全身・砕身の二種の舎利あり、彼は砕骨也、法門は全身也、砕身に依るべからず、(中略)身延澤御退出の刻、公方聖教世事雑具等、皆悉く御墓所に置くべきの由、衆徒に触れられし時、面面供奉の人人、一紙半銭も持ち出ること無し、(中略)大聖人の御遺骨身延山に納め奉るの段、誰か疑貽あらんや」
また日興は『原殿御返事』の追記で、身延を去った際に持って来てしまった涅槃経2巻をきちんと身延に送り返したことが書かれています。引用してみましょう。
「追って申し候。涅槃経第三第九二巻御所にて談じて候いしを、愚書に取具して持ち来って候。聖人の御経にて渡らせ給い候間、慥かに送り進らせ候。」
つまり日興が身延を離れる際に、日蓮由来のものを日興は何も持ち出していないというのが、事実かと思います。