気楽に語ろう☆ 創価学会非活のブログ☆

創価学会の元非活メンバー(現在は退会済み)による語り

如来神力品の付嘱とは。





いつもみなさん、ありがとうございます。
さて今回は如来神力品についてです。



日蓮系教団では嘱累品第22を「総付嘱」、如来神力品第21を「別付嘱」として、法華経の四句の要法が上行菩薩に付嘱されたとしています。


ところが、私のような不信心の輩がいくら如来神力品を読んでも、「上行菩薩だけに法華経が付嘱された」とはどうにも読めないんですね(笑)。


例えばいわゆる「四句の要法」の前の一節を引用してみましょう。


「爾時仏告。上行等菩薩大衆。諸仏神力。於無量無辺。百千万億。阿僧祇劫。為嘱累故。説此経功徳。猶不能尽。以要言之。如来一切所有之法。如来一切自在神力。如来一切秘要之蔵。如来一切甚深之事。皆於此経。宣示顕説。是故汝等。於如来滅後。応当一心。受持。読誦。解説。如説修行。」


読めばわかるように、釈迦はここで「上行等菩薩大衆」に語りかけていまして、上行菩薩だけに語りかけているのではありません。また如来の滅後に法華経の受持をするように呼びかけている相手は「是故汝等」であって、「あなた方」と二人称複数で呼びかけています。


では釈迦が上行菩薩だけに語りかけるシーンは法華経如来神力品には存在しないのでしょうか。
実は1箇所あります。ところが、この部分はサンスクリット原典に出てくる部分でして、鳩摩羅什訳では訳出されていません。
具体的に書いてみましょう。


「すると、世尊はそのとき、(中略)集団の偉大な指導者であり教師であるヴィシシュタ=チャーリトラ(上行菩薩)という者に語った。
『よろしい、よろしい。ヴィシシュタ=チャーリトラよ。汝らは、この経説のために、そのようにするがよい。汝らは如来によって、この上ない最高の"さとり"に到達するように成熟させられているのだ。』」
(『法華経』下、岩波文庫版、151〜153ページ)


これを読むと、釈迦は確かに上行菩薩に語りかけていますが、釈迦の言葉の二人称は「汝ら」と複数になっています。またこの部分だけで釈迦から上行菩薩一人だけに法華経の付嘱がされたというのはやや不自然であると思います。加えてこの部分は鳩摩羅什訳には訳出されていません。


法華経を読んでどのような解釈をするのも信仰者の自由なのですが、日蓮法華経解釈には日蓮独自の視点で読まれているものがあり、それに普遍性があるとは一概に言えないのだと私は思います。



広宣流布鳩摩羅什の造語」

広宣流布は誰に委任されたか」