いつもみなさん、ありがとうございます。
さて私はこのブログで、法華経には特に即身成仏が説かれないということを何度となく述べています。
例えば提婆達多品における竜女成仏は鳩摩羅什訳では「変成男子」とされ、サンスクリット原典では竜女の男性器が生えて成仏するという形で描かれています。つまり法華経において竜女はそのままの姿で成仏はしていません。
加えて今日書いておきたいのは、二乗成仏です。法華経授記品第6で説かれる二乗成仏は、実は来世において歴劫修行を経て未来に成仏できるという予言がされただけなのです。つまり法華経の会座において彼らが「即身成仏」したわけではなく、未来における成仏の約束をされただけということになります。
具体的に法華経から引用してみましょう。
「余の弟子であるこの僧カーシャパ(迦葉)は、未来において三千万億の仏たちの許で、これらの仏たちを崇め尊んで、師事し、供養し、讃歎し、礼讃するであろう。そして、これらの尊い仏たちの正しい教えを信奉しよう。彼はマハー=ヴューハという劫にアヴァバーサ=プラープター世界に最後の化身を現わし、ラシュミ=プラバーサという、完全に『さとり』に到達した阿羅漢である如来となって、この世に生まれるであろう。」
「告諸比丘。我以仏眼。見是迦葉。於未来世。過無数劫。当得作仏。」
「僧たちよ、余が仏の眼で見るに、この長老カーシャパは未来において、数えきれぬほどの劫の後に、仏たちに供養して仏となるであろう。」
(同302〜303ページ)
「僧たちよ、余の偉大な弟子であるこの長老スブーティは、三千万億の仏たちを崇め尊んで、師事し、供養し、讃歎し、礼讃するであろう。そして、これらの仏のもとにおいて純潔を守って修行をし、『さとり』を得るであろう。彼はこのような数々の奉仕をして、最後の化身においてシャシ=ケートゥという、完全に『さとり』を達成した阿羅漢である如来となって、この世に生まれるであろう。」
(同308〜309ページ)
つまり法華経には直ちにその身がそのままで仏になるという即身成仏はなんら描かれていないということです。