いつもみなさん、ありがとうございます。
無量義経に「四十余年・未顕真実」とありますが、この「真実」が『
法華経』であるということを示す文献的証拠はありません。
現在の仏教学では、
無量義経は西暦500年頃に中国で作られた
偽経であると考えられています。
無量義経には梵本が存在しません。
創価大学教授の菅野博史氏の見解によれば、
法華経の前に説かれたとされる「大乗経名無量義教菩薩法仏所護念」に仮託して中国人
仏教徒の誰かの手により『
無量義経』が偽作されたとしています。
また横超慧日氏や
紀野一義氏らも、萩原雲来氏の説を受けて『
無量義経』が中国撰述の可能性が極めて高いことを指摘しています。
つまりこれらの説を総合して考えると『
無量義経』は『
法華経』の開経として中国の
仏教徒の手によって偽作された可能性が高いといえます。
ですから『
法華経』が最第一であるとする前提として『
無量義経』の「四十余年・未顕真実」を持ち出すことは根拠も正当性も全くないということです。