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創価学会の非活メンバーによる語り

十界の成立について。





いつもみなさん、ありがとうございます。
さて今日のテーマは「十界」の起源についてです。



「十界」と言うと、多くの創価学会員さんや大石寺の信徒さんがよくご存知の教義になりますけど、これ、別に日蓮の教義でも何でもありません。
本来天台宗で言われていたもので、天台教学における『仏祖統記』で出てくるものです。



ではこの起源はどこから来たものなのか、というのが最大の問題です。「十界」や「十法界」という用例は法華経には存在しないからです。



実は「十法界」の用例の初出は『法華経』ではなく『華厳経』です。華厳経漢訳のいわゆる『八十華厳』の入法界品で「了知十法界・一切差別門」という言葉が出てきます。



ところで、ここで最大の問題になるのは『八十華厳』の成立年代です。漢訳『八十華厳』は西暦695〜699年の成立で、ここから考えると天台智顗(538〜597)は『八十華厳』を見ていないことになります。西暦418〜420年に成立した旧訳『六十華厳』では「十法界」の語はなく、「分別深法界」と書かれているからです。


とすると、考えられるのは法華経です。
法華経に「十法界」の用例は存在しませんが、授記品には「四悪道・地獄・餓鬼・畜生・阿修羅」とありますし、随喜功徳品には「六趣衆生」とありますので、これらの語句を成立統括して、智顗として「十法界」の概念を生み出したと考えるのが自然かと思います。



ただ教義としての「十界」の概念は、やはり中国天台宗第6祖の妙楽大師湛然を待たなければならないでしょう。湛然(711〜782)の頃には既に『八十華厳』が成立していますから、湛然は十法界の概念から天台教学の整理を行ったことは想像に難くありません。








参考文献:
稲荷日宣「十界の成立」『印度学仏教学研究』第17号所収、1961年。